どんなきっかけでプロジェクトが始まりましたか?
岡本:元々僕は川村さんと個人的に接点があって、ランチに行ったりと仲良くしていただいていました。その繋がりから、2021年11月頃にとある新規事業を80&Companyとして提案させてもらったんですが、その場が始まりでしたよね。
川村さん:その会議でトラストバンクの考え方を伝えたら、上田さんにエンジンがかかって(笑)。元々の提案とは全く異なる、トラストバンク社自体のブランディング、組織作りの提案を受けました。実は、ちょうど社内でもブランディングに関して課題認識をしていたタイミングだったんですよ。
上田:そんな背景があったとは知らず、ただ「トラストバンクのことを世の中に伝えたい、広めたい」と思って、会議の場で想いを伝え、その後長文メッセージも送りました(笑)。日本のためになることを本気でやっている会社だと知って「もっと色んな人に伝わらないともったいない」と感じたのです。
川村さん:「めっちゃ熱いな、この人」と感じ、そのエネルギーに心を動かされました。商売関係無くトラストバンクを応援してくれるファンのようで、想いがすっと入ってきたんです。
自分もかなり熱いタイプの人間なんですが、それを超えてきました(笑)。
どのような課題をもたれていたのですか?
和田さん:当社のふるさと納税サービス「ふるさとチョイス」は、独自のブランド力を発揮しています。その他、2019年頃から複数の新規サービスも立ち上げていて、それなりに形になってきています。地域通貨のプラットフォームサービス「chiika」や電力を自治体に寄付できるサービス「えねちょ」などですね。
ただ、個々のサービスが独立していて、それぞれの間でシナジーを生み出すことができていなかったのです。
川村さん:例えば、ふるさとチョイスの話で自治体に訪問した際「こんなサービス提供もできます」という話をすると「え!ふるさと納税の会社じゃないの?」と驚かれるんです。
我々は「地域の未来・可能性を創造するために、ふるさと納税や地域通貨事業を通して、地域の経済循環を促進させていく」会社であり本来はその点で差別化できているはず。だけど、「トラストバンクはふるさとチョイスの会社であり他のふるさと納税サービスとの違いも大差無い」という認識が定着してしまっていました。
和田さん:各事業のブランド資産が活かされていなかったので、より効果的なブランディング方法について再検討していました。また、当社はかなりビジョナリーな組織なので、独りよがりにならないよう、第三者に入ってもらいリブランディングを行おうと考えていました。
そこで、80&Companyさんに相談をしたら「トラストバンクという会社自体の存在意義から考えていきましょう」と提案をもらいました。
80&Companyをパートナーに選んだ理由は?
和田さん:2点あって、1点目はこちらのオーダー以上の提案をしてくれたこと。そもそも達成すべきと考えていた内容そのものが正しいのかどうかから考えてくれました。
川村さん:こちらのオーダーは「個々のブランドをどう統合していくか」という話だったが、ちょっと待てよ、と。「そもそも根本がしっかり無いと実現できませんよね、トラストバンクの価値、そして実現したい世の中の可視化から始めましょう」という新しい提案をもらったんです。
和田さん:そして2点目は、共創してくれるスタンスであったこと。ふるさと納税って分かりやすいモデルでは無く、かなり特殊な事業です。事業内容を理解し何かを作り変えていくには、時間もコストもかかる。だから「一緒に考え実行していきましょう」というスタンスを持つ人々でないと難しいと思っていました。
川村さん:一貫して、「顧客」という関係ではなく「仲間」というスタンスですよね。そしてトラストバンクのことを我々以上に考えていることが伝わってくる。そこで信頼度がめちゃくちゃ上がりましたね。
どんなことを実施したのでしょうか?
吉野:2022年3月からプロジェクトは始動しました。
「ありたい未来を可視化し、そこへ至る行程を組み、実行に移す」というゴールのもと、一緒に考えるプロセスを幾度も重ねていきました。直近では新しいミッションを策定したところです。
上田:プロジェクトが始まってすぐの4月に合宿をし、発想を広げる・深めるワークをしましたよね。明日10月27日は京都で2回目の合宿を行います。
和田さん:合宿を含め各プロセスにおいて、これまで当たり前に使っていたワードの定義を問われることが多かったです。例えば「皆さんが言う“地域”って何を指しているんですか?」とか。
社内だと「地域とは何だ?」とかってある種前提条件なので、それを覆す議論って普通は起こらないんです。だけど、具体的に何かと聞かれると明確に答えることができない。共通認識がされていない。
でもそれを考えることって、核心に迫ることなんですよね。
川村さん:言葉の定義を都度確認してもらうことで、より本質的な話をすることができました。
あとは、あの手この手のワークで思考を深堀りしていったのですが、80&Company側で事前に徹底的な議論をし準備してくれているというのが伝わるんですよね。多分トラストバンクの中の人として一度模擬ワークをしてますよね?(笑)
それだけの熱量をもって同じ目線でやってくれているので、信頼して任せることができました。
新しいミッションはどんな言葉になりましたか?
川村さん:「地域の可能性を共創する」という言葉に生まれ変わりました。
これまで社内外でよく使われていた言葉に「地域の課題解決」というフレーズがありました。しかし、改めて自分たちがやっていることを振り返った時に、何か違和感があったんです。
僕たちはそのフレーズで表されている以上のことをやっているし、スタンスとしても違うという点に気付くところまで、徹底的な深い話合いをして辿り着きました。
地域の課題解決のために、というよりは地域の未来や可能性を広げるために力を注ぎたいと思っているし、実際そういうスタンスでやってきていたんですよね。
和田さん:あれはコロンブスの卵的な気付きでしたね。
イシューベース、いわゆる何等かの困りごとがあってそれを解決しましょう、という考え方もある一方で、僕らがやっていることはもっとビジョナリーなんですよね。「地域が地域として残り続けるって素晴らしいよね、そんな世界になったら良いよね」というあるべき世界を描くことから始まっているんです。
言われてみたら当たり前の話だけど、当たり前の話だから気付かないんですよね。
川村さん:課題という言葉の響きって、ネガティブ要素が強い。でも僕たちって、もっとポジティブでワクワクするようなことをやりにいっている。だから違和感がありました。
「可能性の共創」という言葉が出てきた時は「これだ!!」とばっちりピントが合った感じでしたね。
これから80&Companyに期待することはありますか?
川村さん:先日、新しいミッションを社内のメンバーに共有し説明をしました。
やっぱり唐突感はあっただろうし、1人ひとりが「地域の可能性の共創」を自分事にするには、これから何回も繰り返し伝えていく必要があるので、そこも伴走してもらいたいと思っています。
上田:これからはテーマが切り替わると思っています。
これまでは「経営陣がどうしたいか?」を引き出すのが重要なフェーズでしたが、次はメンバーが主役になるフェーズ。ボトムアップ目線を入れた施策を一緒に実行していきましょう!
川村さん:よろしくお願いします!
堀池:本日はありがとうございました。これからも共により良い未来を創り上げていきましょう。引き続きよろしくお願いします!
対談日:2022.10.26
トラストバンク コーポレートサイト:https://www.trustbank.co.jp/