JETROの「日ASEANにおけるアジアDX促進事業」に採択。マレーシアにて21世紀型スキルを伸ばすゲーム学習を展開。

■事業の概要

本事業の⽬的は、子どもたちの21世紀型スキルの習得度合を可視化することで教育品質を高め、社会が求めるスキルを持った人材を育成することです。
80&Companyは、日本で展開中のゲームの時間を学びに変える習いごと「ゲームカレッジLv.99」で培ったノウハウを活かし、各スキルの習得度を診断するツールをビー・インフォマティカ株式会社と共同開発し、 サンウェイ大学、 マレーシア教育省の下部組織であるPADUの協力を得てマレーシアの現地小中学校にてフィールドスタディを実施します。

■実施の背景

2023年6月の労働力統計によると、マレーシアの失業率は前年同月の3.8%から0.4%減少した3.4%となっており、一見、マレーシアの労働市場は安定に向かっているように思えますが、15歳〜24歳までの若年層の失業率は11%と、全体平均の3.4%を大きく上回った数値です。

この原因の一つとして、雇用者側のニーズと大卒生のスキルセットのギャップが挙げられます。サンウェイ大学のJanitha Nadarajah博士は、「今日の大卒生たちは、ICT、チームワーク、リーダーシップ、時間管理といった一般的なスキルは充分に備えているが、コミュニケーション、問題解決、分析スキルには(雇用者側の要求水準との間に)大きな隔たりがある」と指摘しています。
さらに、新卒学生の雇用適性スキルをスコア化したところ、全体平均の3.8%に対し、基礎的ITスキル(4.05%)、チームワーク(3.86%)、リーダーシップ(3.82%)は平均値を上回ったものの、先進的ITスキル(3.49%)、問題解決(3.70%)、コミュニケーション力(3.70%)は平均値を下回った結果となりました。

また、マレーシアの雇用市場で求められるスキルをリスト化したところ、コミュニケーション能力は全体の7割超の職種で必要とされており、他スキルのニーズを圧倒していることが明らかとなっています。このギャップを埋めるための施策として、特にコミュニケーション能力の養成が課題だと推察しました。
近年、コミュニケーションや問題解決能力を含む21世紀型スキル教育に注目が集まっていますが、マレーシアにおける教育改革策定文書の中で、教育省は「ほとんどの国が、21世紀以降を見据えた新しいスキルやコンピテンシーをカリキュラムに盛り込む必要があることに同意しているが、それが何であるかについての合意はまだほとんど得られていない」とコメントしており、今後21世紀型スキル教育の実践に向けた具体的施策の設定が必要であると考えられます。

若年層の就業機会の創出は、国の中長期的発展において必要不可欠であるため、コミュニケーション能力を養成するための具体的な施策として本事業を立ち上げました。
また、80&Companyは、「人と事業のポテンシャルが発揮された、活気あふれる世の中をつくる」をビジョンとして掲げており、ポテンシャルを秘めた企業の潜在能力を最大限に引き出す活動を行っているため、企業や事業の海外展開は極めて重要であると考えています。本事業においても、今回の海外進出を機に更なる発展を遂げられるように尽力していきます。


■実施内容

<採択に向けた実施事項>

  • ゲームカレッジLv.99として進出すべき国のリサーチ、選定
  • 現地パートナーの発掘、選定、合意形成
    • JETRO J-Bridgeアクセラレーションプログラム(マレーシア)への参加による現地パートナーとの関係構築
  • JETROが事業実施事務局を担う「日ASEANにおけるアジアDX促進事業」の補助金申請、採択


<採択後の実施内容>
80&Companyと株式会社イオンファンタジーが共同で展開しているゲームの習い事「ゲームカレッジLv.99」を教材として使用し、コミュニケーション能力や問題解決能力(21世紀型スキル)の習得度合を診断するツールをビー・インフォマティカ株式会社と共同で開発し、 サンウェイ大学、 マレーシア教育省の下部組織であるPADUの協力を得てマレーシア現地小中学校でのフィールドスタディを実施します。
教材として使用するゲームカレッジLv.99は、「ゲームを習い事化する」をコンセプトに、ゲームプレイを通じて「考える力を養う」という新しい教育サービスです。2021年2月にイオンファンタジーとの共同事業としてスタートした後、順調に会員数を伸ばしており、約3年間でのべ7万人の子どもたちに受講いただきました。

ゲーム学習は教育業界の中では新ジャンルと言えます。これまで学習教材制作にあたりゲームコンテンツを参考にしたり、学習方法にゲームプレイ要素を取り入れるなどして子どもたちの学ぶ意欲を刺激する動きはありましたが、本サービスで提供している、“ゲームをプレイすること自体が学びになる”という点に関しては、「楽しみながら身につけられる」という新しい価値を訴求しています。
これまでのゲームカレッジLv.99においては、体感としての学習効果を認める声が多く主観的なものにとどまっていました。しかし、今回の実証実験を通じて、21世紀型スキルを可視化し、習得状況の診断や効果測定、分析等を行い、スキルアップの指標も作成することで、より具体的な課題抽出やフィードバックが可能になることが期待されます。21世紀型スキル教育の品質向上はもちろん、教育業界全般における発展、さらにはマレーシアにおける若年層の雇用ミスマッチ問題の解決に繋げていきます。